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毎度ばかばかしいお話を(鳶泥)

アジト内にこだました強烈な怒号、爆音。発生源と対象は言うまでもなくいつもの二人。しかし、今回はいつもと少々様子が違っていた。
先輩、と呼びかけたトビにデイダラが返事をする。そこまではよかった。そこからである。先輩、なんだと聞いても先輩、どうしたと問うても先輩、先輩、先輩。一向に進まない会話についに堪忍袋の緒が切れた。焦げ臭い煙にまみれながら、こういう時にやっぱり爆発袋だと軽口を叩くはずの口からは先程までと一言一句違わぬ単語しか出てこない。けほりと咳き込んで、もう一度。


「せんぱぁい…」
「だからなんだっつってんだろ!起爆粘土の無駄づかいさせやがって」


顔の前で大きなバツ印をつくってみせて何かを必死にうったえかけるトビに、デイダラもようやく様子がおかしいことを気に留めてくれたようだ。手のひらに握りかけていた第二弾が戻される。


「お前、まさか…」


そう、そのまさかなのだ。大きく縦に首を振るこの男は今『先輩』としか声を発することができない。理由は、わからない。これでは何をするにも不都合でしかたがないし、任務にだって差し支える。さて、どうしたものか。二人揃って考えてみるも、当の本人がこれなもので埒があかない。昨日何食った、どこに行った、誰と会った。まるで取り調べである。答えようにも何の因果か今トビが口にできるのはわずか四文字。目の前の相手を呼ぶことしかできない。デイダラの方もさして興味もないのに強いられる一方的な詮索に辟易しかけていた時、普段なら避けて通るがこの状況に打開策を投じてくれそうな人間が通りがかった。イタチだ。一刻も早くこの面倒事を片付けたいデイダラは背に腹はかえられぬとイタチを呼び止め、端的に状況を説明する。頭の先からつま先まで、しばし無言でトビを見ていたイタチは一言。何か術にかかっているようだな、と。そんなことは想定内。二人が求めているのは具体的な解決法なのだ。


「…で、何の術なんだよこれ」
「わからない。が、大したものじゃないだろう」
「イタチお前、解けねえか?」
「そうだな…時間が経てば戻るさ、心配することはない」


そう言い残すとイタチは急ぎの用があるとかで足早に去っていった。兎にも角にも、瞳術幻術に長けた彼が言うなら信憑性もあろう。それに関してはデイダラも専門外。根本的な解決にはならないが、今は従うほかない。


「しょうがねえなあ…これだからペーペーの忍は」
「せんぱい!」
「ボクは下っ端じゃないです、とでも言いてえのか?」


大きく一度うなずく。どうやら当たっていたらしい。よくよく考えれば筆談でもすれば多少なりとも意思の疎通もはかれたものだが。はじめは何言ってるかわかんねえよ、と難色を示していたデイダラも慣れてきたらあまり普段とかわらないなどと、もうまるで常日頃の様。せんぱい、の声に世話を焼く姿はまるで飼い主もしくは調教師。順応性があるのはいいことだ。しかし、油断は大敵。いくら慣れた動物でも、たとえそれが相方であったとしても。否、だからこそ。


「先輩先輩、」
「はいはいなんだ…」


ぱたぱたと手招きをするトビに近づくデイダラ。肩に手を置かれ、もう片方でずらされた仮面の下とゼロ距離になる。一呼吸。元通り。
豆鉄砲でも食ったかのように目を丸くしているデイダラに仮面を直したトビが一言。


「今日って四月一日なんですよね」


さらり。
流暢な話しぶりは普段となんら遜色なく。そう、即ち全て。


「うっそでしたー!」


先程しまい込んだ第二弾が大いに役立つ時がきた。


「トビィ、てめぇは…」


響き渡る怒号、爆音。本日二度目、いつもの二倍のそれはアジトを真っ白く覆い尽くして有り余るものだった。この煙がひいたら何が起こるのか。ともかく、第三弾が投入されないことを祈るばかり。





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とんだちゃばんだよ!
トビには去年のリベンジをしていただきました まさか2年連続で行事にのるとはな…

もしも一時的に先輩がなんかの術で逆の立場になったとしても案外支障ない気がするのはわたしがトビデイ脳だからかな?
それとも先輩が呼ぶだけでだいたい何のことかわかる(んだけどわざとわからないふりしてからかったりもする)し、たくさん呼ばれるのはなんだかうれしいとか思っちゃってこのままでもいいかなって思いかけたところで元に戻って後日もっとボクのこと呼んでくださいよ~あの時みたいにって変に含み持たせた言い方してうっとうしいって喝されるトビっていう流れが容易に想像できるからかな?
(トビデイ脳だから)(どっちにしても結局爆発オチ)


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