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≪はじめに≫

(もうちょっと)
非公式二次創作文ブログ
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(なかのひと)チャジ…今はnrt、主に暁中心にいろいろと/特にデイダラせんぱいとトビ(オビトくん)がすき/リバ風味は仕様/現パロ・大学生パロはそれぞれパラレルワールド/先輩のトビとは:先輩の後輩で黒幕で誰男なオビトくんだけどやっぱり先輩の前ではただの後輩/書きたいときに書きたいものを!




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みじかいはなし詰め(鳶泥)

【朝のはなし(※現代風味)】

マグカップにスティック状の粉末。お湯をそそげばあっという間の手軽なぬくもりをひと口飲んで薄い、とつぶやいた声にやかんを傾けながら応える声。規定量書いてあんの無視して多めに湯入れるからだろ。朝。スズメのさえずりと車が走る音をカーテンで隔てた内側。貧乏性なんですもん。欲が出てんだよ、無意識に。うわ、そう言われると…。外の明るさが透けるカーテンはまだそのままでも甘すぎるくらいに甘い(が、薄い)スティックコーヒーをすすりながら苦い顔をしているのは、よくわかる。いつもの橙は昨晩の残骸と一緒に部屋の隅だ。甘ぇ。規定量きっちりのそれを、ひと口飲んで同じような表情。あらら、ボクのと換えます?欲の塊ですけど。甘党にゃこっちのがいいだろ…うん。マグカップと一緒に交差する視線、すこしだけ早い朝。




【ベランダでのはなし(※現代風味)】

ひらひらゆれてるカーテンの先、三角座りでシャボン玉。この時季もう肌寒いベランダで夕日のあたりに透明な球体をひたすら浮かべている。ストローを銜えるためにずらされた、同じ色した面だけがこちらをみてくる。一体何を考えているのか。愚問だ。


「一本どうっすか」
「一本っておまえな」


差し出されたストローを受け取って、隣に座るとコンクリートが冷たい。ベランダ用の100均のサンダルがざり、と音を立てた。なんで裸足なんだよ。二組入りのシャボン玉セットの剥がされたボール紙とプラスチックとがゆるく風に吹かれている。風下はこちら側。飛んでくるのは夕日に向かい損ねてはじけるシャボンと、こういうのも一瞬の美とか言うんですかね、なんて身が入ってないのが丸わかりの問いかけ。芸術を雑に扱うんじゃねえ。ストローをシャボン液に浸けて面に向かっておもいっきり吹く。ぱちぱちとはじけるいくつものそれに、目隠しをした顔がやっとこちらを向いた。


「飯食いに行くぞ、飯」
「あったかいのがいいです」
「やっぱ冷えてんじゃねえかバーカ」




【写真のはなし】

子どもが三人、写真に撮られている。通りがかった町中の別段めずらしいわけでもないそれを、何となく遠巻きに見ていたらめずらしく思ったらしい先輩が声をかけた。子ども達に、ではなく、こちらに。


「嫌いそうなのにな」
「子どもが?」
「写真がだよ」
「そうでもないですよ」


そんなもんつけてるくせに?青い目が言っている。めずらしくもない、いつもの訝しげな顔にすこし頬がゆるむ。なんともまあ写真向きに。真逆の顔と向き合って、同じことを問い返す。


「先輩はお嫌いっすか?写真」
「いいや、別に」
「あら意外。めずらしく合いましたね~ボク達」
「うれしくねーよ、うん」


ばっさりと切られたのをすり抜けて続ける。ボクも今はあんまりですけど。なお訝しんで見る青い目。


「ほら写真って形に残るでしょ?仮にもこんな組織の一員が」
「それこそ手配書ぐらいなもんだな」
「折角気が合ったのに先輩と写真、撮れなくて残念だなあ~」
「オイラだって好きってわけでもねえよ。一瞬は一瞬だ。閉じ込めておけるようなもんじゃねえさ」


そうですね、と返事をしてちらりと見ると三人の子どもはいなくなっていた。明日の任務のため、今日はこの町に留まる。




【三行で済むはなし】

「だれでもいたくないなあ」
「じゃあオイラが爆破してやるよ」
「それじゃあだめなんですって」

*

「ボクは結構、欲深い方ですよ」
「行動が伴ってない、やり直し」
「えっ」

*

「生まれ変わったら、ずっといっしょにいましょうねぇ」
「なんだそれ」
「なんなんでしょうね」




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1|目分量じゃわからない
2|シャボン玉すきすぎマンです
3|写真についてふたりの認識のちがい
4|簡単なことばかり

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ハートのキング(鳶泥)

《※現代風味》


季節感だけ揃えておいて真っ昼間から再放送された心霊番組なんて、無念でそれ自体が化けて出そうなものだ。さっきまで見ていたのは去年の霊だったか。ならばもっと体も冷えようものだが。麦わら帽子は日差しよけ。編み目の隙間をとおる光が顔に網模様をほどこしていて、こっちの方がよっぽど涼しげ。なんてことを考えている男の顔には季節を問わず橙色の渦模様。半歩先をゆく麦わら帽子から、ちらと青い目がのぞいて話しだす。おまえは。


「ぎゃあぎゃあ言う方かと思ってた」
「さっきのッスか?ん~あんまり怖くなかったですし…あ、ぎゃあぎゃあ言った方がかわいげありましたかね」
「やめとけよただでさえ暑いのに…それにかわいげなんて求めちゃいねえし」
「じゃあかっこよさ?」
「もっとねえな、うん」


繊細そうな金の髪をたずさえて、いい意味で神経が太いデイダラは霊の類も物ともせず。なんとなく、でも頭のどこかで刺激と涼を期待してながめていたテレビに案の定効果は望めなかった。そもそも隣にいる男が一番怪談向きなのだ。できれば夜道では出逢いたくない。その男も、おばけがばっと出てくるより先輩がぱっと消えちゃったりした方がずっとこわいですね、なんてつぶやく始末。なに言ってんだと一蹴された言葉にほっとする面の下の繊細さの仕組みは、甲虫類のそれと似たようなもの。もっとも、常日頃はそこらの木にとまっているセミの方に近い。
一瞬の儚さに美を見いだすデイダラにとって夏はなかなか誂え向きな季節に思えるが、曰わく暑いもんは暑いしうるせえもんはうるせえ、らしい。それでもこうしてまだ日も照りセミの鳴く時分に出てくるあたり満更でもないのだろう。好きな花火は打ち上げ花火。かき氷はレモン味。暑さは苦手だが髪は切らない。こだわり半分、仮面の男の呪いが半分。長いそれを適当に結わえているシュシュはシャンプーだか何だかのおまけについてきたはず。生活に馴染むと記憶は案外曖昧になる。


「なんでこんなクソ暑ぃのに出てきちまったんだか」
「テレビと扇風機に限界感じたからッスかね」
「よくよく考えりゃ外出たところで解決しようもねえのにな…」
「でも先輩、あれ見てくださいよ」


ほらオアシス。その声と指が差す方には古ぼけた商店が一軒。すだれの掛かった店先ではラムネの瓶が冷やされている。透明な瓶と氷が浮かぶ水はいかにも夏らしく、率先して駆け寄って日に焼けていない手を浸けて手招き。歳いくつだあいつ、と洩らしたデイダラも結局桶の中を覗き込めば同じこと。店の人に怒られんぞ。買うんなら大丈夫ですってちょっと休憩しましょ?瓶を二本片手にすだれの内側に吸い込まれていった後輩のペースだ、完全に。溶けた氷の滴をはらって後に続くほかない。
こじんまりとした空間には駄菓子と日用品が半々にならんでいて、小上がりの畳に座す店主と思しき小柄な老人と何やら話す仮面の男。どうやら会計を済まそうとして橙のそれを売り物と間違えられたらしい。壁に掛けられたくじや面をながめていたデイダラの耳にもとどいた自前ッス…の声に、先程までの勢いはまるでなかった。


「そのへんのヒーローか美少女戦士と変えてくかぁ?」
「やめてくださいよもう…」


すだれの脇にはベンチ。ラムネの空き瓶は足元のケースに返していくらしい。吊された風鈴に気づいて、ならんで座る。栓代わりのビー玉を押し込む音が輪唱。先陣を切ったデイダラが冷たい炭酸を流し込む隣で、件のトビはというとあたかも当然のように面を耳の辺りまでずらしてそれに続く。


「…取れば」
「いやぁ~こんな外じゃちょっと」
「誰も見てねえよ」
「先輩が見てるでしょ」
「今更かよ」
「あ、そうだ」


ビー玉がからんと鳴った音で仕切り直し。少々不服そうな顔のデイダラの目の前に、同じ色をしたあめ玉がひとつ。よく見るとひよこの形をしていて、プラスチックの輪っかのついた台座に乗ったそれは指輪のようになっている。ラムネといっしょに買っていたらしい。そのまま渡されるのかと手のひらを向けて出された右手をこっち、とうら返して。人差し指の上にちょこんと乗った青いひよこ。なんだこれ。ただのあめちゃんですよ。ふーん。日にかざすと透き通った青が同じ色に吸い込まれていく。ぱちぱちとまばたきをする横顔を見る視線の出所は、いつの間にか見慣れたそれに戻っていた。ひと足早く空になった瓶を日焼けしたケースに収める白い手曰く、先輩っぽいなと思って。こういうことを言って当人にあまり好評を得た試しがないのだが、今回はそうでもないようで。


「まあ、たしかに飴細工なんかはなかなかいいなと思ってるぜ、うん」
「でしょお?ボクもずいぶんわかってきたとおもいません?」
「自分で言ってんじゃねーよ」


瞼の内側にため込んだ青の光がはじけるように笑った。綯い交ぜの夏の中でも確かなそれで、ほんのすこし面の下は目を閉じる。





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夏の盛りに書き出したのに気づけばすっかり秋の気配ですがここはひとつ…
青いひよこの指輪キャンディは探してみるもいまだに実物みたことないです


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あまいのふたつ(鳶泥鳶)

《※現代風味》


かりかりと音を立ててかじられている面を見てやはり木製か、なんて呑気なことを考えた。花と鳥達のテーマパーク。辺りを囲む植物に、宙からぶら下がる花、間を行き交う鳥。ふれあいコーナーで5分と経たないうちに手懐けたオウムは一声かけただけでまっすぐ獲物のもとへと向かっていった。全く、優秀なことこの上ない。


「やっぱり鳥は自由に飛んでる方がいいですよね」


花と鳥達のテーマパーク。の、中にいる真っ白なフクロウを見てそう口走ったのが数分前。馬鹿のようで馬鹿じゃないこいつは当然、あらゆる矛盾を含めた上で言っているし、鳥に語りかけてるわけでもない。今に始まったことじゃないがタチが悪いったらありゃしない。言いたいことははっきり言えと言ったところでのらりくらりとはぐらかし、軽口だけは免許皆伝。それを駆使して煙に巻かれるだけならまだマシで、面倒な時はとことん面倒の塊のようになる。元来こっちもあまり気長な方じゃない。そういう日々のあれやこれやは、オウムに襲撃される一般人の図ができあがるに十分足りて有り余っているわけだ。
尖ったくちばしに丁度いい具合なのかオウムは面をかじるのをなかなかやめないし、わりと軽い木でできていたらしいそれからは橙が剥がれてぽろぽろ落ちている。わあわあ言ってはいるものの、むやみに払いのけようとしないあたりプラス10点。及第点には程遠いが、面倒の上塗りは勘弁願いたいので係員が駆け寄ってくる前にオウムを呼び戻す。一盛り100円で買える鳥のおやつからリンゴを一切れやって、首の後ろを撫でてやると任務を全うしたオウムはそこいらのとまり木へと戻っていった。動物はわかりやすくていい。
さて、さっきまでかじり木だった橙色はというと目先数メートルのところで未だ、わざとらしくおびえた風を装ったままだ。身を少し縮ませて、両手を顎のあたりで揃えて、せんぱいったらひどい!なんて、女子高生でもギリギリの演出。一連のそれに特に言及することもなく、ため息ひとつで終わらせて歩き出すとすぐに追いついてきて並んだ。


「自分が籠だ、なんてうぬぼれてんじゃねえぞ」


オウムの優秀な働きで余剰もほとんど消化されたが、更なる面倒事を呼ばないために釘を刺す。そもそもなんであろうが籠なんざ入るつもりもなければ入ったつもりもないのだ。それぐらい、わからないわけでもあるまいに。花と鳥とを縫う同じ歩幅の音に混じって聞こえてきたのはそうっすね、の一言。聞いてんのかこいつ。
花、鳥、木、花、花、鳥、繰り返す視線の流れにとまった橙色の面。それが思いのほかぼろぼろだったもので。あとで直してやると申し出れば大丈夫ですよこれぐらいと返してくる始末。前言撤回選択ミスだ。多分こいつは一生面倒で、案外馬鹿。


「心配すんなよ。きっちり礼はしてもらうから」
「身体で?」
「じゃあ前払いな、うん」


ささくれ立った面に手をかけたら小さなとげが刺さった。四方を葉っぱやら花に囲まれている。人も人なんかいちいち見ちゃいない。地の利は生かしてこそ。ちょうど陰になった、何かは知らないが宙吊りになって咲く花をうつしたような顔色を見て思う。これで及第点。


「ごちゃごちゃめんどくせえこと考えてんなよ」


出口も近づくとお決まりのみやげ物屋に出くわす。特に用もないのでそのまま門へと向かおうとしたところ。あ、先輩見て。しぶしぶ声の方へ足を運ぶ。


「苗なんかも売ってるんすねぇいろいろと」
「誰が世話すんだよ」
「水やりくらいボクでもしますって」
「なら食えるやつがいいな、うん。なんかねえかな」
「その徹底した実用主義きらいじゃないっすよ…」


芸術家なのにね~と手近な苗に話しかけている奴はほっといて、棚に並ぶそれらを見やる。とは言っても両方植物のことなんて全くわからないので、結局棚に貼ってある小さな説明書きと小さな緑とを交互に眺めるだけになる。しばらくそうこうしているといつの間にかトビが持ってきたのがモンステラという小さな苗。ラテン語で怪物を意味するその苗は、うまく育つとバナナとパイナップルを足したような味の果実をつける、と付け焼き刃の知識を一本指を立てながら明朗快活に話す。数分で従業員に仕上がってきやがった。


「初心者には難易度高くねえかそれ」
「でも食べてみたくないですか」
「よし、任せた」
「ウッス!」


その返事みたいにハキハキと、腹ん中にためてることも言っちまえばいいのに。決めてかかって飲み下されるのは、そりゃあいい気はしない。小さな苗が実をつけるまでを待ってやるぐらいには、こっちだってそれなりに。いくらか長く生きてきて、無駄に固くなった頭はこんな簡単なことに気づかないのだ。


「お前、もっと馬鹿でもよかったのになあ」
「それどういう意味っすか!?」





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とりつかいの デイダラが しょうぶをしかけてきた!

100均にも売ってるモンステラの花言葉は[深い関係、壮大な計画]らしいですヒュ~~お手軽に壮大な計画はじめちゃおっ

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