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クレープをひとつ(鳶泥)

暗黙の了解という言葉があるが、この二人の間でもそれは成立しているらしい。四六時中やかましいように思えるトビという男も、黙っている時もあればそこにいるデイダラにちょっかいをかけない時もある。例えば、デイダラの目が本気で芸術に向かっている時。それを判断するのはトビの観察眼でしかないのだが、今は正にそれに該当するらしく先程から不自然なくらいに大人しい。当人に言わせれば今はこれが自然なのかもしれないが。
しばらくして纏う空気がやわらいだのを感じたトビがおもむろに立ち上がると、粘土と作品の前に立っているデイダラに声をかける。


「おつかれさまです」


そう言って、気まぐれに頭をなでた。わざわざ怒らせるような行動をとるのは大人しくしていた時間の反動か。しかし、てっきり怒声と共に振り払われるとばかり思っていた手は、笑みを含んだやめろよの一言だけで今も変わらずそこにある。
想定外な反応によっぽど疲れているのかと思ったが、なんてことはなく、嫌ではないだけだと認識できた瞬間、トビは自分もまたそんな行動をとっていた。頭から手を退け、ぎゅっと音がしそうな勢いで金色を腕の中に抱えこむ。その頭に再びぽんと手をのせる。しばらくの無言。無音。


「なにやってんだ」
「なにやってんでしょうね」


何故自分がこんなことをしたのか、されているのか。どちらもよくわかっていないようだ。が、人間の行動全てに何故ならで始まる理由付けが必要と言うわけでもあるまい。なってしまったものはしょうがないのだ。
さて、このしばしの平穏。トビがおどけてうやむやに流してしまうか、デイダラの爆撃をもって幕が引かれるか、はたまたそれ以外か。





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先輩がトビのうらやましいところと言えば背丈ぐらい(笑)だろうけど、
そんな先輩がトビの手はすきで、それが無意識の安心感からだったらいいなと
つつみこむつつみこまれる たぶん二人ともあまり経験ない
たまには意味もなくお互いに照れくさいことしとけ!!!


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