全くもって不公平だ。
なにがってアレだよ、まあ見てみろ。あそこにいるデイダラちゃんを。おもむろになんか言ってんな。で、それに敬礼付きの二つ返事で駆けてくのが相方のお面ヤローだ。これからしばらく待つ。その間はオレも鎌の手入れでもしながら適当に待つ。そしたらホラ、数分とたたずにお面が帰ってくるだろ。で、手にもってる何かの包みをデイダラちゃんに渡す。開ける。食べる。団子だったみてぇだな。
もしもだ。
これとおんなじことをオレがオレの相方にやったらどうなる?考えるまでもなく確実に死ぬよな。まあオレ死なないんだけどよ。なーんかおかしくね?同じ組織ん中なのにさ、かくさしゃかいってやつ?不公平ってこういうことだろ、なあジャシン様!
それなのにあの贅沢もんはこんなこと言うんだぜ?
「あートビの野郎マジでうっとうしい」
「そんなん今にはじまったことじゃねぇだろ~?」
「だから余計になんだよ、うん。毎度毎度アイツの面倒みてるオイラの身にもなれよな」
「面倒みられてんのはどっちかってーとデイダラちゃんの方じゃね?」
「あぁ!?いつ誰があんなヤツに面倒みられてたってんだよ、うん!お前じゃあるまいし」
そりゃあねぇよデイダラちゃん。あれだけ従順にパシリやってて、軽口のひとつやふたつ安いもんだろ?あーオレもほしい。口うるさくなくてすぐキレなくて金にもうるさくない、そういうパシ…相方が、オレもほしい。
「そんなに言うんだったらオレにくれよ、トビ」
「それはダメだ」
あれっそこは即答すんのね。ったく、我が儘なんだからよぉこの末っ子ちゃんは。
で、勿論理由はこうきたもんだ。
「オイラのパシリがいなくなんだろ、うん」
ニヤニヤ笑ってしれっと言ってのける様はもう拍手もんだね!
前の相方と余計なところばっかり似ちまってまあ。何を教えてたんだかアイツぁ。お前のことだよサソリちゃん。ちったぁ責任とれ。
「んじゃ角都と交換」
「余計にイヤだろ!」
「うん、それはオレもイヤ」
なんだかんだ言ってもお互い死ぬことなく今までやってきてんだ。や、だからオレ死なないんだけどなんつうかな、そういうんじゃなくて。軽口叩いたり派手なケンカしたり、爆発したりどっかちぎれたり。そんでもなんとかやってってるってこたぁそーゆーもんだろ?相方ってのはよ。
なあ、
「角都~アイス買ってきてくれよぉ」
「殺されたいのか」
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