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  <title>もうちょっと</title>
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  <language>ja</language>
  <copyright>© Ninja Tools Inc.</copyright>
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    <item>
    <title>≪はじめに≫</title>
    <description>
    <![CDATA[（もうちょっと）<br />
非公式二次創作文ブログ<br />
所謂同人女性向け要素を含みます<br />
閲覧の際は上記を了承の上自己責任でお願いします<br />
無断転載・公開型ブックマークはご遠慮ください<br />
同人サイトさまはリンク・アンリンク共にフリーです<br />
(※タグによる検索避け済み)<br />
<br />
もうちょっと<br />
http://mtt.ky-3.net/<br />
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<br />
<span style="color: #808080; font-size: x-small;" size="1" color="#808080">（なかのひと）チャジ<br />
nrt、主に暁中心にいろいろと／特にデイダラせんぱいとトビ（オビトくん）がすき／リバ風味は仕様／現パロ・大学生パロはそれぞれパラレルワールド／先輩のトビとは：先輩の後輩で黒幕で誰男なオビトくんだけどやっぱり先輩の前ではただの後輩／書きたいときに書きたいものを！<br />
</span><br />
<a href="https://poipiku.com/3895625/" title="" target="_blank">（なんと10年ぶりに二次創作してます）</a><br />
<br />
<br />

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<noscript><a href="https://tyazy.tuna.be/" target="_blank">つなビィ -tuna.be-</a></noscript><br />
<br />
◎なにかございましたら右下の拍手ボタンorメルフォよりどうぞ<br />
<span style="color: #808080; font-size: x-small;" size="1" color="#808080">（励みになってます　ありがとうございます！）（お返事は右メニューから）</span>]]>
    </description>
    <category>▽ はじめに</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/1/</link>
    <pubDate>Tue, 31 Mar 2020 15:00:00 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>みじかいはなし詰め（鳶泥）</title>
    <description>
    <![CDATA[【朝のはなし（※現代風味）】<br />
<br />
マグカップにスティック状の粉末。お湯をそそげばあっという間の手軽なぬくもりをひと口飲んで薄い、とつぶやいた声にやかんを傾けながら応える声。規定量書いてあんの無視して多めに湯入れるからだろ。朝。スズメのさえずりと車が走る音をカーテンで隔てた内側。貧乏性なんですもん。欲が出てんだよ、無意識に。うわ、そう言われると&hellip;。外の明るさが透けるカーテンはまだそのままでも甘すぎるくらいに甘い（が、薄い）スティックコーヒーをすすりながら苦い顔をしているのは、よくわかる。いつもの橙は昨晩の残骸と一緒に部屋の隅だ。甘ぇ。規定量きっちりのそれを、ひと口飲んで同じような表情。あらら、ボクのと換えます？欲の塊ですけど。甘党にゃこっちのがいいだろ&hellip;うん。マグカップと一緒に交差する視線、すこしだけ早い朝。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
【ベランダでのはなし（※現代風味）】<br />
<br />
ひらひらゆれてるカーテンの先、三角座りでシャボン玉。この時季もう肌寒いベランダで夕日のあたりに透明な球体をひたすら浮かべている。ストローを銜えるためにずらされた、同じ色した面だけがこちらをみてくる。一体何を考えているのか。愚問だ。<br />
<br />
<br />
「一本どうっすか」<br />
「一本っておまえな」<br />
<br />
<br />
差し出されたストローを受け取って、隣に座るとコンクリートが冷たい。ベランダ用の100均のサンダルがざり、と音を立てた。なんで裸足なんだよ。二組入りのシャボン玉セットの剥がされたボール紙とプラスチックとがゆるく風に吹かれている。風下はこちら側。飛んでくるのは夕日に向かい損ねてはじけるシャボンと、こういうのも一瞬の美とか言うんですかね、なんて身が入ってないのが丸わかりの問いかけ。芸術を雑に扱うんじゃねえ。ストローをシャボン液に浸けて面に向かっておもいっきり吹く。ぱちぱちとはじけるいくつものそれに、目隠しをした顔がやっとこちらを向いた。<br />
<br />
<br />
「飯食いに行くぞ、飯」<br />
「あったかいのがいいです」<br />
「やっぱ冷えてんじゃねえかバーカ」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
【写真のはなし】<br />
<br />
子どもが三人、写真に撮られている。通りがかった町中の別段めずらしいわけでもないそれを、何となく遠巻きに見ていたらめずらしく思ったらしい先輩が声をかけた。子ども達に、ではなく、こちらに。<br />
<br />
<br />
「嫌いそうなのにな」<br />
「子どもが？」<br />
「写真がだよ」<br />
「そうでもないですよ」<br />
<br />
<br />
そんなもんつけてるくせに？青い目が言っている。めずらしくもない、いつもの訝しげな顔にすこし頬がゆるむ。なんともまあ写真向きに。真逆の顔と向き合って、同じことを問い返す。<br />
<br />
<br />
「先輩はお嫌いっすか？写真」<br />
「いいや、別に」<br />
「あら意外。めずらしく合いましたね～ボク達」<br />
「うれしくねーよ、うん」<br />
<br />
<br />
ばっさりと切られたのをすり抜けて続ける。ボクも今はあんまりですけど。なお訝しんで見る青い目。<br />
<br />
<br />
「ほら写真って形に残るでしょ？仮にもこんな組織の一員が」<br />
「それこそ手配書ぐらいなもんだな」<br />
「折角気が合ったのに先輩と写真、撮れなくて残念だなあ～」<br />
「オイラだって好きってわけでもねえよ。一瞬は一瞬だ。閉じ込めておけるようなもんじゃねえさ」<br />
<br />
<br />
そうですね、と返事をしてちらりと見ると三人の子どもはいなくなっていた。明日の任務のため、今日はこの町に留まる。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
【三行で済むはなし】<br />
<br />
「だれでもいたくないなあ」<br />
「じゃあオイラが爆破してやるよ」<br />
「それじゃあだめなんですって」<br />
<br />
*<br />
<br />
「ボクは結構、欲深い方ですよ」<br />
「行動が伴ってない、やり直し」<br />
「えっ」<br />
<br />
*<br />
<br />
「生まれ変わったら、ずっといっしょにいましょうねぇ」<br />
「なんだそれ」<br />
「なんなんでしょうね」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span color="#c0c0c0" size="1" style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;">－－－－－<br />
1｜目分量じゃわからない<br />
2｜シャボン玉すきすぎマンです<br />
3｜写真についてふたりの認識のちがい<br />
4｜簡単なことばかり<br />
</span>]]>
    </description>
    <category>*nrt</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/80/</link>
    <pubDate>Mon, 08 Dec 2014 14:20:29 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>ハートのキング（鳶泥）</title>
    <description>
    <![CDATA[《※現代風味》<br />
<br />
<br />
季節感だけ揃えておいて真っ昼間から再放送された心霊番組なんて、無念でそれ自体が化けて出そうなものだ。さっきまで見ていたのは去年の霊だったか。ならばもっと体も冷えようものだが。麦わら帽子は日差しよけ。編み目の隙間をとおる光が顔に網模様をほどこしていて、こっちの方がよっぽど涼しげ。なんてことを考えている男の顔には季節を問わず橙色の渦模様。半歩先をゆく麦わら帽子から、ちらと青い目がのぞいて話しだす。おまえは。<br />
<br />
<br />
「ぎゃあぎゃあ言う方かと思ってた」<br />
「さっきのッスか？ん～あんまり怖くなかったですし&hellip;あ、ぎゃあぎゃあ言った方がかわいげありましたかね」<br />
「やめとけよただでさえ暑いのに&hellip;それにかわいげなんて求めちゃいねえし」<br />
「じゃあかっこよさ？」<br />
「もっとねえな、うん」<br />
<br />
<br />
繊細そうな金の髪をたずさえて、いい意味で神経が太いデイダラは霊の類も物ともせず。なんとなく、でも頭のどこかで刺激と涼を期待してながめていたテレビに案の定効果は望めなかった。そもそも隣にいる男が一番怪談向きなのだ。できれば夜道では出逢いたくない。その男も、おばけがばっと出てくるより先輩がぱっと消えちゃったりした方がずっとこわいですね、なんてつぶやく始末。なに言ってんだと一蹴された言葉にほっとする面の下の繊細さの仕組みは、甲虫類のそれと似たようなもの。もっとも、常日頃はそこらの木にとまっているセミの方に近い。<br />
一瞬の儚さに美を見いだすデイダラにとって夏はなかなか誂え向きな季節に思えるが、曰わく暑いもんは暑いしうるせえもんはうるせえ、らしい。それでもこうしてまだ日も照りセミの鳴く時分に出てくるあたり満更でもないのだろう。好きな花火は打ち上げ花火。かき氷はレモン味。暑さは苦手だが髪は切らない。こだわり半分、仮面の男の呪いが半分。長いそれを適当に結わえているシュシュはシャンプーだか何だかのおまけについてきたはず。生活に馴染むと記憶は案外曖昧になる。<br />
<br />
<br />
「なんでこんなクソ暑ぃのに出てきちまったんだか」<br />
「テレビと扇風機に限界感じたからッスかね」<br />
「よくよく考えりゃ外出たところで解決しようもねえのにな&hellip;」<br />
「でも先輩、あれ見てくださいよ」<br />
<br />
<br />
ほらオアシス。その声と指が差す方には古ぼけた商店が一軒。すだれの掛かった店先ではラムネの瓶が冷やされている。透明な瓶と氷が浮かぶ水はいかにも夏らしく、率先して駆け寄って日に焼けていない手を浸けて手招き。歳いくつだあいつ、と洩らしたデイダラも結局桶の中を覗き込めば同じこと。店の人に怒られんぞ。買うんなら大丈夫ですってちょっと休憩しましょ？瓶を二本片手にすだれの内側に吸い込まれていった後輩のペースだ、完全に。溶けた氷の滴をはらって後に続くほかない。<br />
こじんまりとした空間には駄菓子と日用品が半々にならんでいて、小上がりの畳に座す店主と思しき小柄な老人と何やら話す仮面の男。どうやら会計を済まそうとして橙のそれを売り物と間違えられたらしい。壁に掛けられたくじや面をながめていたデイダラの耳にもとどいた自前ッス&hellip;の声に、先程までの勢いはまるでなかった。<br />
<br />
<br />
「そのへんのヒーローか美少女戦士と変えてくかぁ？」<br />
「やめてくださいよもう&hellip;」<br />
<br />
<br />
すだれの脇にはベンチ。ラムネの空き瓶は足元のケースに返していくらしい。吊された風鈴に気づいて、ならんで座る。栓代わりのビー玉を押し込む音が輪唱。先陣を切ったデイダラが冷たい炭酸を流し込む隣で、件のトビはというとあたかも当然のように面を耳の辺りまでずらしてそれに続く。<br />
<br />
<br />
「&hellip;取れば」<br />
「いやぁ～こんな外じゃちょっと」<br />
「誰も見てねえよ」<br />
「先輩が見てるでしょ」<br />
「今更かよ」<br />
「あ、そうだ」<br />
<br />
<br />
ビー玉がからんと鳴った音で仕切り直し。少々不服そうな顔のデイダラの目の前に、同じ色をしたあめ玉がひとつ。よく見るとひよこの形をしていて、プラスチックの輪っかのついた台座に乗ったそれは指輪のようになっている。ラムネといっしょに買っていたらしい。そのまま渡されるのかと手のひらを向けて出された右手をこっち、とうら返して。人差し指の上にちょこんと乗った青いひよこ。なんだこれ。ただのあめちゃんですよ。ふーん。日にかざすと透き通った青が同じ色に吸い込まれていく。ぱちぱちとまばたきをする横顔を見る視線の出所は、いつの間にか見慣れたそれに戻っていた。ひと足早く空になった瓶を日焼けしたケースに収める白い手曰く、先輩っぽいなと思って。こういうことを言って当人にあまり好評を得た試しがないのだが、今回はそうでもないようで。<br />
<br />
<br />
「まあ、たしかに飴細工なんかはなかなかいいなと思ってるぜ、うん」<br />
「でしょお？ボクもずいぶんわかってきたとおもいません？」<br />
「自分で言ってんじゃねーよ」<br />
<br />
<br />
瞼の内側にため込んだ青の光がはじけるように笑った。綯い交ぜの夏の中でも確かなそれで、ほんのすこし面の下は目を閉じる。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span color="#c0c0c0" size="1" style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;">－－－－－<br />
夏の盛りに書き出したのに気づけばすっかり秋の気配ですがここはひとつ&hellip;<br />
青いひよこの指輪キャンディは探してみるもいまだに実物みたことないです</span><br />
<br />
]]>
    </description>
    <category>*nrt《現パロ鳶泥》</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/79/</link>
    <pubDate>Tue, 23 Sep 2014 07:53:48 GMT</pubDate>
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    <item>
    <title>あまいのふたつ（鳶泥鳶）</title>
    <description>
    <![CDATA[《※現代風味》<br />
<br />
<br />
かりかりと音を立ててかじられている面を見てやはり木製か、なんて呑気なことを考えた。花と鳥達のテーマパーク。辺りを囲む植物に、宙からぶら下がる花、間を行き交う鳥。ふれあいコーナーで5分と経たないうちに手懐けたオウムは一声かけただけでまっすぐ獲物のもとへと向かっていった。全く、優秀なことこの上ない。<br />
<br />
<br />
「やっぱり鳥は自由に飛んでる方がいいですよね」<br />
<br />
<br />
花と鳥達のテーマパーク。の、中にいる真っ白なフクロウを見てそう口走ったのが数分前。馬鹿のようで馬鹿じゃないこいつは当然、あらゆる矛盾を含めた上で言っているし、鳥に語りかけてるわけでもない。今に始まったことじゃないがタチが悪いったらありゃしない。言いたいことははっきり言えと言ったところでのらりくらりとはぐらかし、軽口だけは免許皆伝。それを駆使して煙に巻かれるだけならまだマシで、面倒な時はとことん面倒の塊のようになる。元来こっちもあまり気長な方じゃない。そういう日々のあれやこれやは、オウムに襲撃される一般人の図ができあがるに十分足りて有り余っているわけだ。<br />
尖ったくちばしに丁度いい具合なのかオウムは面をかじるのをなかなかやめないし、わりと軽い木でできていたらしいそれからは橙が剥がれてぽろぽろ落ちている。わあわあ言ってはいるものの、むやみに払いのけようとしないあたりプラス10点。及第点には程遠いが、面倒の上塗りは勘弁願いたいので係員が駆け寄ってくる前にオウムを呼び戻す。一盛り100円で買える鳥のおやつからリンゴを一切れやって、首の後ろを撫でてやると任務を全うしたオウムはそこいらのとまり木へと戻っていった。動物はわかりやすくていい。<br />
さて、さっきまでかじり木だった橙色はというと目先数メートルのところで未だ、わざとらしくおびえた風を装ったままだ。身を少し縮ませて、両手を顎のあたりで揃えて、せんぱいったらひどい！なんて、女子高生でもギリギリの演出。一連のそれに特に言及することもなく、ため息ひとつで終わらせて歩き出すとすぐに追いついてきて並んだ。<br />
<br />
<br />
「自分が籠だ、なんてうぬぼれてんじゃねえぞ」<br />
<br />
<br />
オウムの優秀な働きで余剰もほとんど消化されたが、更なる面倒事を呼ばないために釘を刺す。そもそもなんであろうが籠なんざ入るつもりもなければ入ったつもりもないのだ。それぐらい、わからないわけでもあるまいに。花と鳥とを縫う同じ歩幅の音に混じって聞こえてきたのはそうっすね、の一言。聞いてんのかこいつ。<br />
花、鳥、木、花、花、鳥、繰り返す視線の流れにとまった橙色の面。それが思いのほかぼろぼろだったもので。あとで直してやると申し出れば大丈夫ですよこれぐらいと返してくる始末。前言撤回選択ミスだ。多分こいつは一生面倒で、案外馬鹿。<br />
<br />
<br />
「心配すんなよ。きっちり礼はしてもらうから」<br />
「身体で？」<br />
「じゃあ前払いな、うん」<br />
<br />
<br />
ささくれ立った面に手をかけたら小さなとげが刺さった。四方を葉っぱやら花に囲まれている。人も人なんかいちいち見ちゃいない。地の利は生かしてこそ。ちょうど陰になった、何かは知らないが宙吊りになって咲く花をうつしたような顔色を見て思う。これで及第点。<br />
<br />
<br />
「ごちゃごちゃめんどくせえこと考えてんなよ」<br />
<br />
<br />
出口も近づくとお決まりのみやげ物屋に出くわす。特に用もないのでそのまま門へと向かおうとしたところ。あ、先輩見て。しぶしぶ声の方へ足を運ぶ。<br />
<br />
<br />
「苗なんかも売ってるんすねぇいろいろと」<br />
「誰が世話すんだよ」<br />
「水やりくらいボクでもしますって」<br />
「なら食えるやつがいいな、うん。なんかねえかな」<br />
「その徹底した実用主義きらいじゃないっすよ&hellip;」<br />
<br />
<br />
芸術家なのにね～と手近な苗に話しかけている奴はほっといて、棚に並ぶそれらを見やる。とは言っても両方植物のことなんて全くわからないので、結局棚に貼ってある小さな説明書きと小さな緑とを交互に眺めるだけになる。しばらくそうこうしているといつの間にかトビが持ってきたのがモンステラという小さな苗。ラテン語で怪物を意味するその苗は、うまく育つとバナナとパイナップルを足したような味の果実をつける、と付け焼き刃の知識を一本指を立てながら明朗快活に話す。数分で従業員に仕上がってきやがった。<br />
<br />
<br />
「初心者には難易度高くねえかそれ」<br />
「でも食べてみたくないですか」<br />
「よし、任せた」<br />
「ウッス！」<br />
<br />
<br />
その返事みたいにハキハキと、腹ん中にためてることも言っちまえばいいのに。決めてかかって飲み下されるのは、そりゃあいい気はしない。小さな苗が実をつけるまでを待ってやるぐらいには、こっちだってそれなりに。いくらか長く生きてきて、無駄に固くなった頭はこんな簡単なことに気づかないのだ。<br />
<br />
<br />
「お前、もっと馬鹿でもよかったのになあ」<br />
「それどういう意味っすか！？」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;" size="1" color="#c0c0c0">－－－－－<br />
とりつかいの　デイダラが　しょうぶをしかけてきた！<br />
<br />
100均にも売ってるモンステラの花言葉は［深い関係、壮大な計画］らしいですヒュ～～お手軽に壮大な計画はじめちゃおっ<br />
</span>]]>
    </description>
    <category>*nrt《現パロ鳶泥》</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/78/</link>
    <pubDate>Sun, 01 Jun 2014 09:25:28 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>みじかい鳶泥4つ詰め</title>
    <description>
    <![CDATA[【アンコールはいらない】<br />
<br />
デイダラが手を止めたのは聞き慣れない聞き慣れた歌を耳にしたからだった。よくしゃべりはするが歌声なんて聞いたのは初めてで、しかもそれは自分も耳なじみがあるときたものだ。どこでそれをと尋ねれば今し方口ずさんでいたものだからと返され目を丸くした。誰が。ここにいるのはボクと先輩だけですね。いつ。だから今ですよ。どちらも悪くはない取り調べのような会話は続く。<br />
<br />
<br />
「岩のわらべ歌だな、たぶん」<br />
<br />
<br />
ガキの頃そういうの口ずさんだりしただろ。どうやら無意識だったらしいそれに思考を寄せて結論づけたデイダラに、トビは近くにあった手頃な粘土のかたまりを弄びながらあんまりおぼえてないですと返す。<br />
<br />
<br />
「おまえほんと&hellip;歳&hellip;旦那でもそれぐらいの記憶はあったぞ&hellip;うん」<br />
「そんなにきてないですってば！」<br />
<br />
<br />
そこには反論するくせに、昔の話となればのらくらはぐらかす。よくわからねえ奴。デイダラが言えば、何を今更。わざとらしく面を指す。<br />
<br />
<br />
「でもいいんですよ別に」<br />
<br />
<br />
なにが、言いかけた声にふたたび短い節が重なる。ね？小首を傾げた橙色。<br />
<br />
<br />
「おぼえちゃいましたから」<br />
「岩の奴でもねえのに」<br />
「それ言っちゃいます？ボクら抜け忍なのに」<br />
「そりゃまあ、ちがいねえわな」<br />
<br />
<br />
特に深い意味なんてない。関係もない。ただ、今この時ふたりがおなじ歌を一節だけ知っているという、それだけのこと。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
【かみのみぞしる（※転生ネタ）】<br />
<br />
ハネムーン症候群、というらしい。なんだかふわふわとした名前だけれど、名は体を表すなんてことばかりじゃない。<br />
成り行きとはいえ半ば同棲状態の生活が始まりはや半月あまり。甘い雰囲気の欠片もないのは自分たちはただの先輩と後輩に他ならないから、この状況がハネムーンなんかではなく後ろについた症候群によるものだから、だ。<br />
ある日突然手が動かなくなった。そんなことはかわいい後輩を見つけるやいなや後ろから一蹴りして呼び止めた後で言うことじゃないし、それをなんとかしろだなんて足蹴にした後輩に頼むようなことじゃない。ちなみに手が云々の前に、この人は元々足癖が悪い。聞けば原因は作業中にそのまま机に伏せて寝てしまったことらしくそれなら尚更自分は1ミリたりとも関与していないのだけれど、こうして白羽の矢が立ったわけでして。あの先輩直々の頼みとあらば無下にすることもできず、断る理由も特になく。一応、なんでわざわざボクに頼むんすかとだけ尋ねてみれば、お前が一番暇そうだからとそれはもう単純明快で清々しいお答えをいただいた。原因を聞いた時盛大に笑ってやればよかった。<br />
しかしどうやらそう呑気な話でもないようで重症であれば半年ほど元に戻らないケースもあるという、日常のちょっとした油断で陥るにしては少々ヘビーなこの症状。この人はよほど業が深いのだろうか、なんて。<br />
作業台は部屋の隅で主が戻るのを待っている。日常生活の不便さよりもなによりも、創作活動ができないことがこの人にとって一番のストレスだろうに。箱庭のようなワンルームで、エベレスト級に高いプライドを持つはずの先輩が、文字通り後輩の手を借りてやっと、普通の生活をしている。こないだまでは猫の手でも借りたいなんて言ってたのになあ。そう洩らす口ぶりは何故だかどこかたのしげで。茶碗を洗う片手間にひとつ、くだらない問いを投げかけた。<br />
<br />
<br />
「なんか前にもこういうことあった気がしません？」<br />
「さあな。こんなこと二度も三度もあってたまるかよ、うん」<br />
<br />
<br />
笑っているのは何故なのか。わかる気がしてもわからないままでいる。二度も、三度も。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
【きょうのこんだて】<br />
<br />
ふらふらと歩いてきた犬に足をとめて、頭をなでている。めずらしいこともあるものだと思った。そこいらの生き物を気にかけるのも、兵糧丸以外の食べ物を持ち合わせているのも、それを分け与えるのも。こちらにはふらふら、とみえた足取りすら見越してのものだとしたらこれは相当したたかな生き物だ。本日何度目の食事だか知る由もないそれを急ぎもせずゆったりと口にする姿を、しゃがんだ金色越しに見る。<br />
<br />
<br />
「知りませんよ懐かれちゃっても」<br />
「こいつの顔見てみろよ。筋金入りの野良って顔してる」<br />
<br />
<br />
こういう奴はその日暮らす術よく知ってんだって。言わんとしていることはわかるが、わからなくもある。ただ青色の審美眼は確かだったようで、もらった食事を残さず食べた犬はいつの間にか姿を消していた。な？と振り返った声が今度はこちらに向かって手招きする。そう離れてもいない間合いを詰めてみれば、宙に浮いた掌にそのまま頭をなでられた。思わず洩れたえ、の一文字に目を細めて笑う顔。わかるような、わからないような。とりあえず一声、鳴いておくのが正解かと。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
【ショートフィルム】<br />
<br />
男が持っている一巻きのフィルムについて訊ねると、これはとある人からもらったものなのだときかされた。<br />
なにが映っているのか見せてほしいと頼んでみたが生憎、映写機がないとのことだ。<br />
いつ頃のものなのかと訊ねても、きっと最近なのだけどずっと前なのかもしれないと、なんとも曖昧な返答。<br />
おぼえていないのか、と問えばそうじゃない。見てみたくはないのか、の問いにはすぐに返事がない。<br />
続けざまに、そうやってとりだしてひっぱって一枚ずつながめていけば思い出せるのに、と言えば胸のあたりで両手で持ったそれに視線を落として一言。<br />
「つつみこんだ時間はあのひとがぜんぶいっしょにもっていってしまったから」<br />
巻き付けたまま、そのままでここにしまっておくんです。そう言った男の表情は頑丈な仮面に覆われていて、何を考えているのか到底、こちらからは窺い知れなかった。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;" size="1" color="#c0c0c0">－－－－－<br />
1|うたえばいいとおもうよ<br />
2|いつもの現代風味とは別の突発転生ネタ<br />
3|トビは筋金入ってない<br />
4|エンドクレジットを含めて30分以内<br />
</span>]]>
    </description>
    <category>*nrt</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/77/</link>
    <pubDate>Sun, 13 Apr 2014 16:37:51 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mtt.ky-3.net://entry/77</guid>
  </item>
    <item>
    <title>鍋底シーワールド（鳶泥）</title>
    <description>
    <![CDATA[《※現代風味》<br />
<br />
<br />
鍋の中を泳ぐ切り身を見て水槽を思い浮かべる人間は稀だろうが、水槽を見て鍋が食べたいとのたまう人間はどうだろう。<br />
先輩は繊細さの使いどころ考えたほうがいいっすよとのやわらかめの忠告を腹減ったもんの一言で片づけ、水族館を出たそのままの足でスーパーの鮮魚コーナーに向かう欲求への忠実さ。赤札にはまだ少し早い魚のパックを吟味する姿に、買い物カゴを持つ後輩が心の中で拍手を送った。<br />
<br />
<br />
三等賞。一組二名様ペアチケット。新しくできた大型水族館にもっぱら客足をとられている地元の水族館。微妙なところをついてくる商店街の福引きの景品ラインナップに思いを巡らす平日。人気も人気もないっすね&hellip;ともらしたトビが無駄にするには忍びないと言うからこうなったものの、当てたのはデイダラの方だ。新聞の粗品なんかも近いものがあるよな。とってないけどさ、などと言う魚は見るより食べる派の彼曰く、そもそも水族館は誰かと来るには向いていないらしい。言うなれば展示なのだからそれぞれが見たいものを見たいだけ見ればいいと持論を述べる姿に、気にしないで好きなだけどうぞと返す殊勝さも持ち合わせているのに。その分お魚見てる先輩見てますんで。後に起こり得ることがわかっていて、わざわざ言葉を選んで付け加えるのがトビという男。案の定チケットが紙屑と化しかけたのをすんでのところで回避し、こうして一番目玉の大水槽の前に揃って立っているのだからいっそおそろしい。いろんな意味で。<br />
ガラス一枚隔てた先には別世界が広がっている。圧迫感、恐怖感、浮遊感、違和感、高揚感、どれでも選び放題。人がつくったはずなのに途方もないものに思えて、いとも容易くのみこまれてしまいそうな。青は心を落ち着かせる色。そうは言っても。狭い視界で覗いたそれから目を逸らして隣を見れば、同じ色した眼が魚の動向を追っていた。息をついた面の内、邪魔にならないように口を開いたつもりが拾われて会話がはじまる。館内でまともに話したのはここだけで、あとは二人ともがめずらしく静かだった。<br />
<br />
<br />
「水槽の中で飼われるのってどんな気分なんでしょ」<br />
「海を知ってるか知らねえかで変わってくんじゃねーの。案外居心地いいかもしんねえし」<br />
「先輩の水槽になら飼われてもいいなあ」<br />
「海に返すぞ」<br />
「ボク海知らないですから」<br />
<br />
<br />
どうやって生きてったらいいかわかんないですよぉ、なんて溺れる真似をしてみせるトビにデイダラは怪訝な目で応える。あ、それか。意に介した様子もなく勝手な話は続く。先輩は海の上飛んでる鳥さんで、それにひと思いに食べられちゃうとか！立てた人差し指で宙に短く弧を描いてみせて。ほら、トビウオ。洒落のつもりか。自分の名前に掛けて例に挙げた魚は、あいにく目の前の水槽にはいない。<br />
<br />
<br />
「それもいいなあ」<br />
「なにがいいなあ、だ。お前なんか食ったら食中りおこすっての」<br />
「そっか、ですよねぇ」<br />
<br />
<br />
すっ、と。息と一緒に吸い込まれたような静けさに、泡の音でも聞こえそう。ごぼごぼ、ぷかぷか。再び動かしたのはそのどちらでもなく、深海で渦巻いているような面を小突いた音と、あてっという小さな声。ここはガラスの外側だった。<br />
<br />
人影もまばらなローカル線で船を漕ぐ金色にあたってゆれる夕日が眩しくて目を閉じた。次に目を開けた時、最初に聞こえた声が言う。鍋食いたい。なべ、鍋。魚入ってるやつ。電車の窓に透けて映る車内の景色が流れて、まるで水槽のようにみえる。あの水槽にいた魚も、何かが違えば泳ぐ場所を鍋の中に移したかもしれない。最寄り駅はみっつ、乗り過ごしていた。<br />
<br />
<br />
陳列棚を眺めながら、真空パックって一瞬と永遠どっちっすか？などと尋ねるトビに賞味期限がある以上永遠じゃねえだろと返すデイダラ。カゴの中には寄せ鍋の材料が二人分。魚は鱈になったようだ。白菜、人参、長ねぎ、えのき、豆腐、お好みの魚介類、そんな文字が羅列された鍋の素のパッケージ。表には二人分の文字。二人で、食べきれるだけの。カゴを任せて自由に散策するデイダラが何かを見つけて手招きする。<br />
<br />
<br />
「このちくわ原材料トビウオだってさ」<br />
「鍋の具には向かないんじゃ」<br />
「おでんやろうぜ今度、うん」<br />
「じゃあ賞味期限見てなるべく&hellip;」<br />
「オイラが食うっつってんだからいいんだよ」<br />
<br />
<br />
カゴに飛び込むトビウオ。さて買い物はおしまい、とばかりに手ぶらにもかかわらずまっすぐレジに向かう背中に、後輩からおまけの一言が飛んでいく。先輩、アイスは？オレンジで。振り向き様に返された声を受け止めそこねて、頭の上で一度跳ねる。<br />
<br />
<br />
「&hellip;了解っす」<br />
<br />
<br />
オレほんとに食べられちゃうんじゃないかなあ、なんてつぶやく声色はきっと裏腹。そうだとしても自業自得。はやくしろよと急かす声でカゴの中に最後に加わったのはオレンジと、レモンのシャーベットだった。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;" size="1" color="#c0c0c0">－－－－－<br />
ふたりで鍋つつくトビデイちゃんくそかわとおもって書き始めたはずが鍋食ってない<br />
トビウオは天ぷらがおいしいらしいよせんぱい！<br />
</span>]]>
    </description>
    <category>*nrt《現パロ鳶泥》</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/76/</link>
    <pubDate>Fri, 21 Feb 2014 12:03:42 GMT</pubDate>
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  </item>
    <item>
    <title>お手を拝借（鳶泥）</title>
    <description>
    <![CDATA[投げ出された手がいつかのように見えて少しだけどきりとした。なんて言ったら、信じてくれるだろうか。<br />
転ぶという字に寝ると書いてうたたね。語源がどうかなんて知らないけれども、まさにこれは読んで字の如く。試作品であろう彼らはとうとう日の目を見ることはなさそうだ。とはいえ、勝手にいじるとどうなるかは想像に難くないのでそれには触れず、かわりに土の塊の間で同様に転んでいる作者の手の方をとってみる。つぎはぎの先は当然ながら今はしっかりと繋がっていて異形のそれも健在。真一文字に閉じられてはいるもののぷらぷらと弄ばれるまま、起きる気配なんてまるでないのが可笑しい。これはもはやうたたねの域を越えている。流石のこの人も睡魔の前ではおとなしかったようだ。<br />
特段大きいわけでもないその手は、よくよく見れば季節柄なのか扱う素材の所為なのかずいぶんと荒れてしまっている。当人はこんなものなんともないと言うのだろうけれど。<br />
かさつく指に、いつかのことを思い出す。もしもあのまま戻らなければこの手が再び作品を生み出すことも、それによってこんな有り様になることも、こうしてなにかに触れることも全て、なかったのだ。いくら知っていてできる無茶もあるとはいえ千切れた手が元通りになるだなんて普通のことじゃないし、だから千切れたって構わないというのはまともな発想じゃない。でもこの組織ではそれが可能だった。<br />
知っていたから？そうじゃなかったとしたら？<br />
その手で生み出す芸術とやらは、この人には生きることそのものだろうに。<br />
無鉄砲、というわけではない。むしろ意外なほどに洞察力にはすぐれているし、聡い人だ。それでいて自尊心もなかなかで短気なところもある。まあ、それがらしいといえばそうなのだけれど。<br />
知っていてできる無茶。それは油断なのかわざとなのか。はたまた信頼、なのか。例えばこのうたたねはなんと呼ぼう。問いかけようにも手の主はぐっすり眠っている。今は手袋越しでもわかるくらいにあたたかいそれ。あのとき引き千切れた腕を、姿を、みてもなんとも思わなかったはずが。<br />
<br />
<br />
「&hellip;罪つくり」<br />
「んなもんつくってねーよ」<br />
「起きてたんすか」<br />
「わりと早いうちからな」<br />
「わーいなんで喝されなかったんですかねボク」<br />
「する理由が見当たらなかったから」<br />
<br />
<br />
寝ぼけているのかと思うようなお言葉をしっかり開いた目から賜る。油断、わざと、まさか残りのひとつだとでも言うのだろうか。にやにや笑う表情に、頭を一回転。これはわざとだ。<br />
<br />
<br />
「ねえ先輩」<br />
「なに」<br />
「手、だいじにしてくださいね」<br />
「わかってるよ」<br />
<br />
<br />
一体どこまでなのかは知れないがそれでいい。この人は、思いのほか聡いのだから。触れ合った手の先からなにか伝ってしまうんじゃないか、なんて馬鹿げたことがよぎってぱっと放した手は、振り子のようには揺れなかった。<br />
<br />
<br />
「あ、そうだ先輩。手荒れと言えばボクこんなのもってるんですけど」<br />
「なんだそれ」<br />
「なんとっ馬の鬣部分からほんのわずかしか採れないという天然の保湿成分がこの一瓶に！」<br />
「どこのうさんくせえ商人だよ&hellip;うん」<br />
「まあまあ、モノは試しですってば」<br />
<br />
<br />
再び目的をもって触れた手の主は、こういう時は存外素直に従ってくれる。罪悪感なんかじゃないけれども、どこかしらが痛む気がして一瞬手が止まった。それに気づいた青い目に見られて、浮かんだ言葉を飲み下す。にぎった手に塗る薬は誰のため？<br />
<br />
<br />
「安心しろよ。試作のテストはお前でしてやるからさ」<br />
「ぜんぜんうれしくないんですけど！？」<br />
<br />
<br />
ねえ先輩。どうかその手で、<br />
あとにつづく言葉ぐらいなら伝ったって構わないのに。そんな都合のいい思いでつつんだ手もやはり、あたたかいのだから困ったものだ。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;" size="1" color="#c0c0c0">－－－－－<br />
知っていてそうした先輩の手をいたわるのは自己肯定と庇護も含んでるんだよっていう　ほ　補足ゥ&hellip;<br />
（手締めできない）<br />
</span><br />
<br />
]]>
    </description>
    <category>*nrt</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/75/</link>
    <pubDate>Sat, 25 Jan 2014 11:46:33 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mtt.ky-3.net://entry/75</guid>
  </item>
    <item>
    <title>点綴するせかい（鳶泥）</title>
    <description>
    <![CDATA[《※現代風味》<br />
<br />
<br />
深い青のマフラーに、ふんわりのっかる金色の髪。ゆるりと青にまとめられ、たわんだそこに突如として差し込まれる手。ぎゃっ。短くはじけた悲鳴は、冬の夜空がすぐに吸い込んだ。ひらひら手を泳がせている犯人は言うまでもなく。<br />
<br />
<br />
「いや～手、寒くって」<br />
「手袋してんだろうが年中！」<br />
<br />
<br />
青からほどけて一房。あちらこちらが踊りだした金色をととのえる手にはご指摘通りの手袋。青と黒の間で踊る金色はどうにもうまくまとまらないらしく、一度といて巻き直そうとすれば寒い、と蹴りを一発。それもそのはず、真夜中二時過ぎ。流星群がくるわけでも特別夜景がきれいな場所というわけでもない、ただの近所の冬の日だ。<br />
高台の公園の自動販売機でホットのボタンを二回。黄色い缶は手元において、もう一方を軽く投げる。弧を描いて黒い手袋の中に収まったのはおしるこ。気、早くないっすか？との感想に、嫌いじゃねえだろと返したデイダラはもう既に甘くはない温もりの恩恵にあずかっている。初日の出を待っているわけでもない。<br />
<br />
夜の窓を開けたらなんとなく、抜け出したくなった。そんなくだらない理由で動けるぐらいには、身軽だった。窓の外は思っていたよりもずっと静かで、それになじむように二人も並んでいる。すこしだけ見晴らしのよいここから見える町の、ちらちらとした明かりはどこかの家のもの。こんな夜更けまで起きてるなんて、とはどの口が言ったものか。それぞれに暮らしているのだから問題なんてない。ぽわりぽわり、口を開くたびに小さく泡のように目に映る白い息。ここだけ、ふたりのせかい。面の下でつぶやいた声も白くなる。<br />
<br />
<br />
「お前それ大概にしとけよ&hellip;うん」<br />
「なんのことだか」<br />
「寒くてしかたねえっての」<br />
「ボクはあったかいですけど」<br />
「心が、とか言うんじゃねえだろうな」<br />
「ほら先輩だって」<br />
「お前に毒されてんだよロマンチスト」<br />
「&hellip;よろこびますよ？」<br />
「じゃねえとまず来てねーし」<br />
「潔さに惚れちゃいそうですボク」<br />
「手遅れ」<br />
<br />
<br />
にやりと笑うその顔に一瞬、たじろいで。ずるい！なんて両手で面を覆い隠す。お前に言われたかねえよ、ずるさの種類ってもんが、一応自覚はあんだな、うん。黒い手袋の隙間から橙色を覗かせて、そのまた奥にある瞳が赤くなった鼻先と細められた青い目をとらえる。ずるいなあ、ほんとに。かみしめるように繰り返した言葉が空気にふれる前に、先回りした声が肩をたたく。<br />
<br />
<br />
「帰ろうぜ」<br />
<br />
<br />
抜け出してきた窓の外側と内側がつながる。明るい金色はいつだって、しるべになる。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;" color="#c0c0c0" size="1">－－－－－<br />
あとはあったかくしてねるだけ<br />
</span>]]>
    </description>
    <category>*nrt《現パロ鳶泥》</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/74/</link>
    <pubDate>Thu, 26 Dec 2013 17:31:29 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mtt.ky-3.net://entry/74</guid>
  </item>
    <item>
    <title>みはなされたい（泥鳶泥）</title>
    <description>
    <![CDATA[言葉に有効期限なんてものがあるのなら。そんな話をしている。<br />
<br />
<br />
「嘘になるとまでは言わないですけど、時が経っても変わらないとも言い切れないものですし」<br />
「その瞬間確かにそう思って言ったんなら嘘にはなんねえし、言われた瞬間感じたことだって確かなもんだろ。よくもわるくもな」<br />
「先輩ならそう言うかなって思いました」<br />
<br />
<br />
案外こいつの微妙な空気のゆれはわかりやすい。こういう話題を振ってくる時は普段とは別の調子で殊更しゃべる。面倒なのはいつだって変わらないのでそれ自体はさして問題でもないんだが、こうやって自分であらかじめ決めていたような答えをほしがるのがすこし、気に食わない。誘導尋問に乗ってやっているつもりはなくても結果そうなっているようでこちらとしては面白くないし、気に食わないものはどうにかしたい性分。軽く息をついて俯いた橙に、こちらも一度は伏した目をぐるりと持ち上げる。かち合わせた視線に対してわざとらしく傾げられる小首。口元から旋回する言葉を差し向ける。じゃあ、そうだな。<br />
<br />
<br />
「お前の全部なんか知ったこっちゃねえ、けどその全部、置いてついて来いって言ったら？」<br />
「それも悪くないかも」<br />
<br />
<br />
力なく笑う音がした。<br />
<br />
<br />
<br />
「どこいくんですか」<br />
「しらね」<br />
「いいんですか」<br />
「まあオイラはどこだろうがやってけるしな、うん」<br />
「先輩ひとりじゃ不安だなあ、生き急ぎそうで」<br />
「お前がいんだろ」<br />
「&hellip;すごい口説き文句っすね」<br />
「暁にゃそれなりに恩もあるし、情もあるっちゃあるけど」<br />
「情」<br />
「そう情」<br />
<br />
<br />
何が変わるわけでもないはずの、小さなもしもで歩いている。<br />
連れ立つ男が途切れた会話をしりとりのようにとって、再びそっと流れにもどす。じわりじわりと浸食するそれを軽い感じで受けとめる。なんだよお前さみしいのかい。ぼんやり浮かぶ橙色を仰々しく目にいれて、オイラがいるのに。なんて言ってやればめずらしくくつくつと笑った。<br />
<br />
<br />
「そうですよ、薄情でしょ？」<br />
「オイラが知ってるお前はそういうやつだから別にいいよ」<br />
「わあ寛大」<br />
<br />
<br />
ほんと、なんでねえ、デイダラさん、<br />
自分で言った言葉にひっかかって、ぽつりぽつり、形の定まらない切れ端を吐いている。灰色の空は夜に内側から膜をはっているかのようで、いつものようにとけてはいかない。むしろその黒がいっそう、際立っている。もしかしたらこちらが外側なのかもしれない。トビ、と呼びかけるとすこしあいていた互いの間の空気がふるえてじわりとにじんだ気がした。<br />
<br />
<br />
「なんか、ねえのかよ。やりたいこととか、行きたいところとか」<br />
「&hellip;なにもないですよ、オレには」<br />
「だから先輩についてくって言ったじゃないですか」<br />
「ここまできたんだから責任とってくださいよ～？」<br />
「ほーんと、見捨てないでくださいよね」<br />
「なんちゃって。ボク知ってますよ」<br />
「先輩はそんなことしないんだもの」<br />
<br />
<br />
すらすらすらすらと。これ見よがしに浮かべられる言葉達。起爆粘土で爆破できるもんならとっくにやっている。専門外だが、目には目を。<br />
<br />
<br />
「そんなこと言っておきながらさいごまではついてこないんだろ」<br />
「なに言ってんすか～趣味、先輩のお供は伊達じゃないっすよ？」<br />
「お前がなんで今こうしてるか当ててやろうか」<br />
「いま、なんて目に入ってないからだろ」<br />
「バレてねえと思ったか？丸わかりなんだよ」<br />
「よくしゃべる奴。それなのに、そのくせに、この期に及んでも何ひとつ言いやしない」<br />
「さっきも言ったが別にそこを追求する気も拘る気もねえよ。ただな、」<br />
「あんまり先輩なめてんじゃねえぞ」<br />
<br />
<br />
膜のような灰色が、ふいに一部分だけ取り除かれた。仄かな明かりでゆらゆら足元がゆれる。満月だった。ちょうど線で結んだように、その下にはトビがいる。まるでそれを背負っているかのように。<br />
<br />
<br />
「ねえ先輩」<br />
「なんだよ」<br />
「ボク先輩のことすきですよ」<br />
「そりゃどういう意味だ」<br />
「そのまんまの意味です」<br />
<br />
<br />
どっちも馬鹿だ。救いようなんてない。距離がつまる。肩を掴まれる。空洞のような黒の先でようやく目が合って、それは一言だけつぶやいた。<br />
<br />
<br />
「ごめんね」<br />
<br />
<br />
赤い光で瞬間的に空気が割られる。電流が流れるような衝撃でぼやける頭で考えた。やっぱりもしもの話なんて嫌いだ。絵空事なんてろくなもんじゃない。ざまあみろ。<br />
視界が閉じるその前に。絶対に言わなかったことを、わざとらしいくらいの穏やかな顔で声に乗せた。<br />
<br />
<br />
「ひどいやつだよ、おまえは」<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;" color="#c0c0c0" size="1">－－－－－<br />
身　放されたい<br />
<br />
（どちらが？）<br />
</span>]]>
    </description>
    <category>*nrt</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/73/</link>
    <pubDate>Wed, 18 Dec 2013 14:49:08 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mtt.ky-3.net://entry/73</guid>
  </item>
    <item>
    <title>小声ではなす夜（鳶泥）</title>
    <description>
    <![CDATA[《※現代風味》<br />
<br />
<br />
ルーレットが回る。プラスチックの針が次から次へと数字を通り過ぎ、その度ぱちぱち弾けるような音が鳴った。3。丁度、時計の針もそのあたりをさしていた。一回休み。そうだ。まともな生活をおくりたいのならとっくに休むべき時間なのだ。それなのに、薄っぺらなボードの上に備え付けられたルーレットを交互に回し合っている。やけに小さい出目が続くのは気のせいなのだろうか、黒に覆われた指先が白いつまみを回せば今度は1。ひとマス戻る。<br />
アパートのゴミ捨て場に捨てられていたのだという。まだきれいだったし、懐かしくなってつい。いつの間にか部屋の隅に増えていたボードゲームの存在にはデイダラも気づいていたので問いこそすれどもそれっきり。特段気にかけたこともなかったのがどうしたわけか今日、こうなっている。<br />
眠れない部屋にはプラスチックの針の音。小さな車型をした駒が進み、時折話し声がする。世界一周旅行に出かける。1000万払う。止まったマスはいともたやすくとんでもないことを強いてくる。色鮮やかな紙でつくられた紙幣を数え、銀行としている箱に入れた。世界とは言わないんで行きたいっすね。どこに。どこでも。オレンジ色の車が止まっている。ルーレットの回る音。側をブルーのそれが追い越していく。土地の所有権を譲り受ける。あーあ。言葉の割にさして気にした風でもなく、すんなり紙幣と同じ大きさの権利書を譲り渡す。オレンジからブルーへ。そのまま両手の指でおもむろに四角い枠をつくって、トビはつぶやく。これくらいで十分なんですよね、もう。枠の中には金色が収められている。へえ、土地は広いに越したこたないとおもうけどね。手元の紙切れを数えながらデイダラが言う。ボク先輩のそういうところすきっす、そりゃそうだろいくら優れた芸術作品でもそこに土地と人がなきゃ最高の一瞬は生まれねえってもんだぜ。しっかりとはかみ合っていない会話で針は進んでいく。<br />
そもそも二人でやるものじゃないのだ。こういう類のゲームなんて。何故拾ってきたかなんてそれこそ気まぐれでしかないだろうし、きっとこの日の後にはまた元あった場所に置いてくるのだろう。きっちり閉じそこねた無地のカーテンのすきまから街灯とも月明かりともしれないものが床を照らして影をつくる。部屋の明かりが手元の電気スタンドだけなのは、一旦は今日を終えようとしたなごり。今日の延長線でめぐるボードの上。延長戦は終わらない。あがるにはぴったりの数出さなきゃいけないんですよ。知ってるよ、まあみてな。ルーレットが回る。オイラの勝ちっ。ブルーの車がボードの上を駆けていき、金色が放物線を描いてそのままぱたんと着地した。眠かったんなら律儀に最後までやらなくても&hellip;、途中で投げ出すのは性に合わねえんだよ。カーペットの上で手近なクッションをかかえた、転んだ目がななめ見ている。そんなところで寝たら風邪ひきますよ。どっちにしろどっちかは床だろ。先輩を床で寝かすなんてボクにはとてもとても。いーよもう、動かねえ。断言してきたっすね、添い寝しますよ。ここにきて返事がなくなった。それならばと途切れた会話を都合よく解釈して隣にしゃがみこんでも無反応。デイダラさん、呼びかけにも返事はない。どうやら本当に眠ってしまったようだ。その寝付きの良さ、どっかの漫画の主人公みたいですよぉ。頬杖でついたため息で観念して、電気スタンドの明かりを消した。<br />
おやすみなさい。なでられた手に切り取られてやる気などさらさらないのだろうがこうして目を閉じてしまえば、それとそんなに変わりはないのかもしれない。<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
<span style="color: #c0c0c0; font-size: x-small;" color="#c0c0c0" size="1">－－－－－<br />
いつかの深夜のはなし<br />
</span>]]>
    </description>
    <category>*nrt《現パロ鳶泥》</category>
    <link>http://mtt.ky-3.net/Entry/72/</link>
    <pubDate>Thu, 07 Nov 2013 12:22:51 GMT</pubDate>
    <guid isPermaLink="false">mtt.ky-3.net://entry/72</guid>
  </item>

    </channel>
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